ボートレース蒲郡の6月第1節は「中京スポーツ杯争奪 蒲郡ボートキング決定戦」。11日に開幕し、6日間にわたって熱戦が繰り広げられる。

 シリーズをけん引するのはSG覇者で、当地の看板レーサーである赤岩善生柳沢一の2人だろう。蒲郡で無類の強さを発揮する赤岩は当地27Vという実績を誇る。今年の当地戦こそ、新春レースで優出3着、3月の一般戦で準優勝戦敗退と勝ち切れていないが、昨年10月の一般戦ではオール3連対で予選を首位通過。準優勝戦、優勝戦をきっちりと逃げ切る「王道V」で優勝を果たしている。今回も卓越した整備、調整力を駆使して、ファンの期待に応えてくれるだろう。
 柳沢は前期優出2回、優勝無し、勝率もなかなか上がらず苦労したが、前回の当地戦となった4月末のゴールデンウィーク戦で期末の残り2日間を2、3、2、1着とまとめ、39期連続のA1級を確保した。今回は期も替わり、心機一転。当地では昨年5月のゴールデンウィーク戦以来のVを狙う。
 今節の出場メンバーで前期、赤岩に次ぐ勝率をマークしているのは杉山貴博。6.37という勝率は7点超の赤岩からは大きく離されているが、それでも2期連続でA1級をキープした。地元、関東地区が中心だが、2021年からは4年連続でV実績もある実力派。当地では9優出も、まだVがないだけに今回待望の美酒を味わえるか。
 4期ぶりにA1級返り咲きを果たしたのは末永祐輝。今年は1月の鳴門で優出するなど好調だったが、2月に住之江でフライング。ただ、その後もリズムを崩すことなく、次の下関で優出、F休み明けの宮島でも優出と安定した走りを続けている。当地はあまり走る機会がなく、まだ優出、優勝とも1度もないが、ターンスピードがあるだけに広い水面は願ってもないところだろう。
 伸び重視の調整で、その攻撃力に定評があるのは下出卓矢。昨年は12月に地元、三国GⅠ周年を2コース差しで優勝。約5年ぶり、2回目のGⅠ優勝を果たした。今年3月のSGボートレースクラシックは権利こそ持っていながら、昨年末に津一般戦で切ったフライングによる休みが重なり出場できなかったが、また4月下旬から再スタート。ゴールデンウィークの三国では3、4コースのまくりで2勝を挙げ優出を果たすなど、その持ち味を十分に発揮している。
 また、小野達哉も7期連続A1級をキープ。3月の多摩川では今年初Vを果たすなど、安定感がある。2019年の四国地区選手権でGⅠ優勝を果たしている河野大は前期勝率6.26とボーダーギリギリながら2期連続のA1級を確保。優勝回数はそう多くないが、今年も2月に鳴門、3月に浜名湖で優出するなど、手堅い走りを見せている。
 他にも実力者は多数。山口支部の清水攻二は勝負駆けの地元、徳山ゴールデンウィーク戦で機力に苦しみ15期ぶりのA1級復帰を逃したが、2月の唐津で約11年ぶりに優勝するなど復調ムード。ハンドルワークが光る鳥飼眞石田章央に地元、愛知支部の松竹大輔古川誠之も勝ち上がってくるだけの力は持っている。若手でも東京支部の上原峻鈴木雅希らが台頭。攻撃力ある郷原章平川田正人、ピット離れを含め進入から見せ場を作る古場輝義渡邊伸太郎星野太郎鈴木賢一らベテラン勢もそつのない走りで見せ場を作ってくるだろう。