ボートレース界の2月といえば、全国6地区で開催されるGⅠ地区選手権競走。今年も2月2日の近畿地区選手権競走(三国)を皮切りに15日までの2週間で地区チャンピオンが決定する。この時期の一般戦は、どうしてもA1級レーサーのあっせんが少なくなるが、そんな時こそ将来が有望なヤングレーサーに期待したい。

 宮之原輝紀は昨秋に行われた津GⅠ周年の優勝戦で痛恨のスリットオーバー。5度目のGⅠファイナルで初Vを狙ったが、スタートを放り切れなかった。これにより、今年はGⅠおよびGⅡ戦の選出から除外されることになってしまったが、前々期には勝率8.13をマークしており、実力は折り紙付き。将来の東京支部を背負って立つ逸材だけに、この苦境から抜け出した先には大きな勲章を手にするだろう。
 打倒難敵が地元カルテット。筆頭の前田滉は、3期前にF2の影響でB1級に陥落してしまったが、すぐにA1級に復帰。前期もA1級昇格のボーダーをクリアした。通算8Ⅴの内容も1コースからのVは3回。2コースと6コースが2回ずつ、5コースが1回とイン以外でも勝てる決定力を持っている。昨年は11優出3Vと安定感と勝負強さがかみ合うようになってきた。まだ当地での優勝歴はないだけに、今節は地元のエース格として受けて立つ。地元のA1級レーサーは前田だけではない。黒柳浩孝は前期に自己ベストを更新。優出は江戸川(4着)での1回のみだったが、6期振りのA1級に返り咲いた。要因は1着が格段に増えたこと。一期間で37勝は自己最多の27勝を大きく上回った。破壊力を身に着けて当地初Vを狙う。
 近年はB1級に甘んじていた川上聡介だが、1月からは5年振りにA2級へ昇格。まくり差しが得意で握って回れる展開になると真価を発揮する。当地でも毎回のように外コースから好配当を提供しているだけに、穴党は注目の存在だ。藤原孝斗は前々期に4.69を残したが、前期は3.82と逆戻りしてしまった。また、今期に入ってもリズムはひと息なだけに、地元戦で浮上のきっかけをつかみたい。
 今節はA2級レーサーが15名も参戦。短期決戦だけに好モーターを手にすると一気にV戦線まで躍り出てくるだろう。角谷健吾は2期続けてA1級昇格のボーダーに届かなかったが、前々期は6.12、前期が6.15と大きく落ち込んだ訳ではない。青木蓮は地力アップが顕著。前期は6月の戸田でデビュー初Vを飾ると、勝率を1点以上も上げて初のA2級昇格を決めた。また、昨年の大みそかにも戸田で優勝と順調な成長曲線を描いている。
 初Vといえば、寺島吉彦は昨年5月の当地一般戦を優勝。4コースからまくり差しを決めて3万円台の大穴を提供した。期始めの優勝で勢いに乗り最終的には5.90を残した。今期はフライングをしてリズムに乗れていないが、思い出の当地で軌道修正をはかりたい。当地と好相性なのが星野太郎。通算16優出4Vは、津の8Vに次いで自身2番目の成績。当地での最近6節でも2V、準V1回とモーター出しと走り方を手の内に入れている。
 今期に入ってA1級ペースなのが、野村誠登玉隼百橋本久和石本裕武竹間隆晟馬袋義則。前期の登玉は7月の江戸川で初優勝。9月の当地ルーキーシリーズでは準Vだったが、得点率トップで通過して存在感を示していた。石本はデビュー5期目の131期生。レースセンスが抜群で大きな可能性を秘めた逸材だ。また、2012年の戸田SGボートレースクラシックを制した馬袋もベテランの味を発揮してV争いへ加わってくるだろう。他では12月戦で優出2着に奮闘した黒崎竜也や当地では伸び仕様を披露する田中宏樹も警戒が必要だ。