勢いに乗る
桐生順平がV戦線をリードする。戸田のSGボートレースダービーは圧巻だった。優勝戦は3コースから豪快なまくりを決め、悲願の地元初、通算4度目のSG制覇を飾った。ダービー終了時点で賞金ランクは2位までジャンプアップ。SGグランプリ出場を手繰り寄せた。4月の児島GⅠ周年の準優勝戦で痛恨のフライング。SGチャレンジカップ出場を逃し、一般戦中心でのレースを強いられてきたが、ここに来て一気に挽回した。当地は2018年にGⅠ周年を制すなど、通算3Vの実績がある。F休み明けでの戦いだが、洗練されたターンテクニックでファンを魅了する。
山口剛が桐生にストップをかける。ダービー終了時点での賞金ランクは16位。先月は事故も多く、ダービーも不完全燃焼に終わったが、2月のGⅠ中国地区選手権で優勝、7月のSGオーシャンカップで準優勝を飾るなど、大きな舞台でもしっかり結果を残している。エンジン出しの引き出しも豊富で、レース運びも多彩。切れ味鋭い走りは必見だ。
田中信一郎も有力なV候補の一角。今年はなかなか優勝に手が届かないが、長年培った経験、テクニックは色あせない。当地は9月下旬に出走している。惜しくも優出は逃したが、出足を強力に仕上げて大いにシリーズを盛り上げた。調整のノウハウはしっかり頭に入っている。巧みなハンドルさばきに注目だ。
北村征嗣が安定した走りを続けている。前期は7優出をマークするなど、しぶとく結果を残した。目を引くのが先月の平和島の優勝戦だ。2コースから山田康二を鋭く差し切り、堂々の優勝を飾った。年齢を重ねて技術に磨きがかかっている。節間を通じて大崩れは考えられない。初日ドリーム戦は3枠での登場。好スタートを決めたい。
岡村慶太も虎視眈々とチャンスをうかがう。前期は5月の住之江、児島で連続Vを飾り、一気に勢いに乗った。最近は当地を走ることが少なく、調整、スタートに関して若干の不安は残るが、2019年11月には優出して3着に食い込んでいる。一般戦ならスピードは一枚上。攻撃的なレースで流れを引き寄せる。
地元勢では
仲道大輔が大きな期待を背負う。前期は5月の常滑、7月の児島ルーキーシリーズでフライング。早々とF2ハンディを背負い、苦しいレースを余儀なくされた。それでも勝負を捨てることなくしぶとく立ち回り、存在感は示した。この経験は貴重な財産になったはず。今節は9月のPGⅠヤングダービー以来、約2カ月ぶりの実戦復帰。チルト3度も駆使して気迫の攻めを繰り出す。
ベテラン勢にも実力者がそろった。
芝田浩治、
山田竜一、
江本真治もいぶし銀のハンドルワークでV争いに参加する。当地のエンジン出しに定評がある
本橋克洋の走りも見逃せない。
黒崎竜也も底力は一級品。
末永祐輝、
中村辰也はもちろん、地元の
岩永雅人も勢いに乗れば優勝まで突っ走るだけのポテンシャルは秘めている。
深水慎一郎、
藤田靖弘、
笠置博之、
加藤翔馬らのレースぶりにも期待が集まる。
中里優子、
真子奈津実ら女子レーサーも多数参戦する。男子のトップレーサー相手にどんな戦いを演じるのか。穴党ファンなら追いかけてみたいところ。見どころは尽きない。白熱バトルは必見だ。