辻栄蔵が今年2月に続く当地2節連続Vを狙う。豊富な経験、実績の持ち主。しかし、今年の優勝はその当地の1回のみ。実力を考えれば物足りないが、9月の津GⅠ周年、徳山GⅠ周年ではしっかり予選突破を決めるなど、高いレベルでも確実に見せ場は作っている。洗練されたハンドルワークは一般戦クラスでは頭ひとつ抜けている。シャープな走りから目が離せない。

 今垣光太郎にもチャンスは十分。フライングによる出走回数不足でA2級に甘んじているが、力は全く衰えていない。10月の三国GⅢマスターズリーグで今年3回目の優勝を飾るなど、近況のリズムも上々だ。エンジン出しの引き出しも豊富で、レースも多彩。節間を通じて大崩れは考えられない。当地は2002年のSGボートレースメモリアルを制し、初代ナイターキングに輝いた思い出の水面でもある。常にファンの声援も大きく、今垣もそれを自覚している。プライドにかけても負けられない。
 古賀繁輝の安定感が目を引く。2024年後期適用勝率は7.22をマーク。出走回数不足の今垣を除けば、No.1の成績だ。圧巻だったのは8月の若松の優勝戦。4カドからコンマ09のスタートを踏み込み、鮮やかに1着に突き抜け、今年3回目の優勝を手にした。当地は2020年9月以来、約4年2カ月ぶりの登場。調整面の不安をクリアできれば、優勝は見えてくる。
 渡邉雄朗が勢いに乗っている。2024年後期適用勝率はキャリアハイの6.77を稼いだ。その勢いはとどまることを知らない。今年はすでに5Vと、SGボートレースクラシック出場も視野に入っている。チルト、ペラを駆使して伸びを強力に引き出すケースが多い。パワフルな走りでファンを魅了する。
 地元勢では大須賀友に注目が集まる。ペラ調整の手腕は折り紙付き。走り慣れた当地では、どんなエンジンを引いても間違いなくポテンシャルを引き出してくる。狙うはもちろん、当地初V。気迫の仕掛けは必見だ。天野友和古川誠之にも調整面で大きなアドバンテージがある。天野は年齢を重ねるごとに、力を付けている。当地は今年1月に優勝を手にした。的確なハンドルワークでV戦線を盛り上げる。
 伊藤将吉石原翼も大きな期待を背負う。伊藤は正確無比なスタート力が持ち味。大舞台での豊富な経験も武器になる。石原は3月の浜名湖、7月の芦屋でフライング。リズムを立て直す意味でも、大事なシリーズとなる。
 安達裕樹は6月の当地GⅠ周年でフライングを切ると、続く徳山でもまさかの勇み足。90日間のフライング休みを経て、今節は復帰3節目。どこまでレース勘が戻っているのか。不確定要素が大きい。中村尊も虎視眈々とチャンスをうかがう。当地は2020年12月に優勝を飾るなど、相性は悪くない。荒井翔伍はすでに新エンジンを経験済み。調整面では優位に立つ。
 水摩敦も軽視は禁物だ。安達同様に4月の津、若松で連続フライングと大きくリズムを崩したが、本来ならGⅠ戦線での活躍が期待される実力の持ち主。原田秀弥平田健之佑中山将も流れに乗れば一気に突っ走る可能性を秘めている。底力のある後藤浩柘植政浩竹田吉行らの立ち回りも見逃せない。