秋の到来を告げる10月最初のシリーズは「幸田町長杯争奪 秋の美味 筆柿レース」。1日から5日間に渡って熱戦が繰り広げられる。

 シリーズをけん引するのは地元若手のホープである吉田裕平だろう。昨年10月に当地で行われたボートレースダービーでSG初出場を果たすと快進撃を見せ、いきなり初優出(3着)。そこで付けた自信は大きな財産となって、さらなる飛躍へと導こうとしている。2024年5月から始まった今期は勝率7点台後半で、8点に迫ろうかという自己最高ペース。今年は、元旦の当地お正月レースの第1レース1号艇でフライングを切ってしまう悪夢のような始まりだったが、そのショックもまるで感じさせない快進撃を続けているのだ。7月には丸亀、常滑と一般戦で連続優勝。しかも、その常滑では7連勝の完全Vまでやってのけている。当地でもこれまで3Vと実績は十分だ。
 勢いという点では高野哲史も負けていない。今年は4月下旬から5月末にかけて4連続優出(うち1V)。6月の住之江でフライングを切ってしまったが、F休み明けの8月大村で今年2回目の優勝も飾るなど、吉田同様に自己最高勝率を超えるペースで今期を進めている。当地でも近況6節で3優出、1Vと安定した成績を残している。
 前期メンバー中最高の勝率7.25をマークしたのはベテランの上平真二。2022年のPGⅠマスターズチャンピオン覇者は、前期7優出(2V)と抜群の安定感を見せた。近況は7月の住之江で優勝。そこから平和島、宮島と3連続優出するなど上り調子だ。地元の河村了も超が付くほどの安定株。前期は8優出(2V)で12期ぶりの勝率7点台もマーク。今期も6月から8月の3カ月で7節中5優出。今年の当地戦も4月の一般戦では優勝、8月のお盆レースでも優出(5着)ときっちりと結果を残している。
 ドリーム戦にはこの4人の他に佐藤大介金子拓矢が選出されている。地元のベテラン佐藤は昨年当地で5節走って3優出。通算でも当地は3Vの実績を持つ。金子はまだ当地優勝こそないものの、直近は3連続優出中。1月末の一般戦では優勝戦1号艇ながら2コース差しを許し、準優勝に終わっただけに、今節はその雪辱の思いもあるはずだ。
 他にもA1級は村松修二松崎祐太郎松尾祭の3人。村松は直近3年で当地出走は昨年のGⅠ68周年のみとあまり機会に恵まれないが、それでも4節前に1回の優出がある。松崎も村松同様にあまり当地を走る機会はないが、それでもデビュー2回目の優勝が2014年の当地一般戦と相性は悪くない。松尾は今年1月の芦屋で通算5回目の優勝を果たしたが、3、4コースでの優勝が内4回とそのセンター戦での勝負強さが魅力だ。
 A2級でも2期ぶりのA1級復帰を狙えるペースで勝率を残している秋山広一高橋竜矢もV候補に名を連ねる。また、7期ぶり2度目のA1級昇格を目指すのは坪口竜也で、7、8月の5節で3優出と調子を上げている。他にも乙藤智史鶴田勇雄貞兼淳二の福岡勢に上田洋平川島圭司の滋賀支部勢、伸び仕様の調整を見せる酒見峻介横田貴満の佐賀支部コンビも攻撃力がある。
 また、今節は男女混合戦で女子も8選手が出場。その中でもっとも好調なのが小野桜で、現在はB1級ながらキャリアハイの6点オーバーの勝率も狙える勢いだ。その他にも、昨年の芦屋ヴィーナスシリーズでデビュー2回目の優勝を果たした後藤美翼、スタート力を武器に2月の多摩川と5月の鳴門で今年すでに2Vしている今井裕梨清水沙樹土屋実沙希も攻撃力があり、面白い存在だ。