今年のお盆レース名は、毎年恒例の納涼しぶきお盆特別選抜戦ではなく「第3回愛知・名古屋アジア・アジアパラ大会協賛競走」。A1レーサー12名を迎えて白熱の攻防戦が繰り広げられる。

 ボートレース界は7月から2024年後期がスタート。同時に賞金ロードも下半期に突入した。勝率8点台で愛知のエースを誇る 池田浩二が、ここもシリーズ主役を譲らない。当地は今年に入って2月のGⅠ東海地区選手権をV。4月にはF休み明けのハンデをはね返してVを飾り、6月のGⅠ周年は惜しくも準Vだったが、峰竜太との2着争いを競り勝ちエースの意地を見せた。どんなモーターを引いても崩れないのが最大の強みだ。
 対抗格は2年連続でSGグランプリ3着の磯部誠。今年は7月7日終了時点で賞金ランキング73位と大舞台での快音は響いていない。それでも、近年は夏場から秋、そして年末にかけてペースアップを果たしている。フライング等でリズムを崩した訳ではないだけに巻き返しは必至だ。常滑より出場機会が多い当地では、8回の優勝回数を誇っており自己最多優勝場。2021年のゴールデンウイーク戦以来、3年3カ月ぶりの当地Vへ照準を合わせて来るだろう。
 SGグランプリファイナリストの両雄以外で今期適用勝率が7点台なのは、前田篤哉杉山裕也河村了の3選手。前期の前田は7.15の自己ベストをマークして大躍進。当地で行われた3月のルーキーシリーズでは、3コースからクレバーなさばきを披露してVを飾った。今期に入ってややリズムを落としているが、真夏の反撃に期待したい。杉山は2月の江戸川GⅠ周年を得点率トップで通過して優勝戦は1号艇で臨んだが、惜しくも3着。とはいえ、まだまだGⅠ戦線でも十分に通用することを証明した。当地は2008年3月以来、16年もVから遠ざかっているだけに、そろそろ美酒を味わいたいところだ。河村は12期ぶりに7点台に乗せた。デビュー20年目だが、通算フライング回数は7本と勇み足が少ないのが特徴。40歳になってもコーナーの切れ味に衰えはなく3、5コースからのまくり差しは絶品だ。
 今シリーズは、兄弟参戦が話題に挙がりそう。吉田凌太朗吉田裕平は将来の愛知支部を背負う逸材。弟の裕平は、SG初挑戦となった昨秋の当地ボートレースダービーで優出3着と全国に猛アピールした。兄の凌太朗は、B1から一気にジャンプアップして3度目のA1ボーダーを超えた。共に当地では3度のV実績があり、スピード勝負がマッチしている。
 前田篤哉の弟・前田翔は、3期前に6.22で初めてA1に昇格すると6.31、6.77と右肩上がりで現級をキープ。機敏なハンドルワークで接戦に持ち込む。
 昨年の当地お盆開催で池田浩二を相手にVゴールを決めたのが丹下将。ウェートを克服するだけのターン力は健在で今年も3月の常滑でVを果たしている。兄の丹下健は、当地の正月開催で通算3度目のV。大胆なレースで高配当の使者となるか。
 他にも6月のGⅠ周年記念では準優勝戦入りを果たし存在感を見せた坂元浩仁、当地では出足関係を引き出す野口勝弘、着実に力を付けている前田聖文、チルトアップを含めて注目度の高い仲道大輔らA1戦士もV戦線に絡んで来るだろう。
 A2では、仲口博崇天野晶夫がA1返り咲きに燃えており、宇佐見淳平見真彦古川誠之上田健太池田雄祐も地元戦で気合が入る。最後にどん底から這い上がって来た本多宏和大場恒季も侮れない存在だ。