SGボートレースオールスターと日程が重複するため、A1選手の中にもSGクラスの強豪が不在。2024年後期に自己最高勝率をマークし、メンバー中トップの戦績を誇る地元の野中一平を本命視したい。

 デビュー当時からスタート力には定評があり、直近1年間の平均スタートもコンマ11と秀逸で、もちろん今節の中では断然だ。これまではGⅠで予選突破に苦戦していたが、2月の当地東海地区選手権では準優勝戦3着と健闘。4月の大村GⅠ周年でも予選突破を果たし、9走中6走がゼロ台鋭発と持ち味を発揮した。勝手知る地元水面なら連日トップスタートを決め、コース不問の鋭い攻めを披露するだろう。当地3回目の優勝に期待は高まる。
 積極果敢な進入でスロー発進に徹する北川潤二もV候補の1人。A1級常連になってからそれほど速攻派のイメージはなかったが、年々スタート力を向上させ、2022年前期から3期連続で平均スタートをコンマ13と上昇させている。前付けにいって、きっちり攻める。そんなスタイルがここ数年で定着しつつある。
 他のA1級は松田祐季永田秀二木村仁紀吉川喜継らが名を連ねている。スピード、GⅠで2V実績などの総合力で見れば松田が最上位だが、2月の常滑優勝戦でフライングを切ってからスタートはやや控え目だ。永田は当地巧者で2節連続優出中。2022年4月には優勝を飾っている。
 地元で一番の人気者と言えば、パンチパーマがトレードマークとなっている仲道大輔だ。「N道」の愛称で親しまれ、池田浩二や磯部誠らにいじられているように陸の上でも個性派キャラで、ここ一番の伸び仕様には魅力がある。
 当地前回戦となる3月のルーキーシリーズでは予選道中で一度も試みなかったチルト3度を優勝戦で披露し、場内を沸かせた。2コースのカドから先まくりを打って、勝ち切れなかったが、「とにかく優勝したい」と1着にこだわった攻撃性は今後に生きてくるはずだ。今節も伸び型の好モーターを引けば、活躍の場は広がる。
 水摩敦松尾昂明の福岡コンビも優勝候補の一角。当地ではダッシュ戦での決め手が光る。水摩は2節前に5、6コースから3回走って、すべて2着以内にまとめている。松尾も昨年11月の前回戦では初日に6コースからまくって勝ち、3連単万舟券を提供している。
 通算54優出でまだ優勝実績のない宮崎奨は当地での走りは堅実で今年1月にも優出。2022年1月には自身3回目の優勝戦1号艇で初Vの期待も高まったが、前付け艇もあり、惜しくも準優勝に終わった苦い思いもある。
 期待の若手として注目したいのが東京支部129期の若林樹蘭。デビュー1年半で毎期勝率をアップさせ、来期は初の6点台まで急上昇しており、A1昇格と初Vもそう遠くはないだろう。前節の江戸川では準優勝戦1号艇で勝ち切れなかったが、予選をこの位置で通過したのは地力強化の証だ。
 地元勢では高井雄基の奮闘も楽しみだ。当地では3月のルーキーシリーズで初の予選突破を決めている。三重130期の中山翔太も3月の浜名湖で初優出して準優勝。今節もコース不問の活躍で高配当を提供するシーンもありそうだ。